2012年1月29日日曜日

湯浅赳男「ユダヤ民族経済史」より



10頁より抜粋

端的に言うならば、西ヨーロッパ文明のなかには、貨幣の賤しさ、醜さ、冷たさが感じられる時にはユダヤ人の姿が浮かび上がってくるというイマジネイションが組み入れられているのである。とはいえ、貨幣経済は西ヨーロッパ文明の骨格であるし、貨幣はその血液であることには変わりはない。したがって、このイマジネイションは西ヨーロッパ文明が自らの生みだした不愉快な部分をユダヤ人に投影して、いわばこのスケープゴートに自らの≪罪≫を押しかぶせるというメカニズムにほかならない。