2012年7月17日火曜日

エリック・ホッファー「魂の錬金術」より



27~28頁より抜粋

権力は腐敗するとしばしば言われる。しかし、弱さもまた腐敗することを知るのが、等しく重要であろう。権力は少数者を腐敗させるが、弱さは多数者を腐敗させる。憎悪、敵意、粗暴、不寛容、猜疑は、弱さの所産である。弱者の逆恨みの源泉は、彼らが被る不正ではなく、むしろ自分自身が無力で無能だという意識にある。弱者が憎むのは邪悪さではなく、弱さなのだ。その力さえあれば、弱者は手当たり次第に弱いものを破壊する。弱者が自分以上の弱者を餌食にするときの、あの酷薄さ! 弱者の自己嫌悪は、彼らの弱さへの憎悪を示す一例に過ぎない。

141頁より抜粋

異議申し立てをする少数者が幅を利かせる余地があってこそ、社会は自由であるという。しかし、実際に異議申し立てをする少数者が自由を感じるのは、自分たちの意見を多数者に強制するときだけである。彼らが最も嫌悪するのは、多数者の異議である。